仕事をしていると、上司や先輩から急に仕事を頼まれることがあります。
「この資料、まとめておいて」
「この数字、確認しておいて」
「これ、いい感じにやっておいて」
「ちょっとこれお願いできる?」
「急ぎで対応しておいて」
こう言われたとき、つい反射的にこう答えていませんか?

「とりあえず、やります!」
一見、すごく良い返事に見えます。
素直。
前向き。
スピード感がある。
上司の依頼を断らない。
やる気がありそう。
新人・若手のうちは、特にこの返事をしてしまいがちです。
なぜなら、上司に対して、
「できません」と言いにくい。
「確認させてください」と言うのが怖い。
「質問が多いと思われたくない」
「やる気がないと思われたくない」
そう思うからです。
でも、ここに大きな落とし穴があります。
「とりあえずやります」は、仕事を始める返事としては便利ですが、成果につながる返事とは限らないのです。
むしろ、仕事ができない人ほど、何も確認しないまま「とりあえずやります」と言ってしまうことがあります。
この記事では、なぜ「とりあえずやります」が危険なのか、
そして仕事ができる人は依頼を受けた瞬間に何を考えているのかを、くろさら目線で解説します。
「とりあえずやります」は、真面目な人ほど言いやすい
まず最初に言っておきたいのですが、
「とりあえずやります」と言う人は、決してサボっているわけではありません。
むしろ、真面目な人が多いです。
頼まれたらすぐ動こうとする。
上司を待たせたくない。
自分でできるところまで頑張ろうとする。
余計な質問をして迷惑をかけたくない。
まず行動することが大事だと思っている。
この姿勢自体は、悪くありません。
くろさらも新人のころは、かなりこのタイプでした。
上司に何か頼まれると、反射的に、
「はい、やります!」
「大丈夫です!」
「とりあえず進めます!」
と言っていました。
その瞬間は、なんとなく仕事ができる人っぽいんです。
即答する。
断らない。
動き出しが早い。
でも、しばらくしてから気づきます。
「あれ、これって何のためにやってるんだっけ?」
「どこまで作ればいいんだろう?」
「これ、Excelでいいの? PowerPoint?」
「誰が見るんだっけ?」
「完成してから違うって言われたらどうしよう」
そして、完成間近で上司に見せたときに言われます。
「いや、欲しかったのはこれじゃないんだけど」
はい。胃が冷える瞬間です。
自分としては頑張っていた。
でも、求められていたものとズレていた。
これが、「とりあえずやります」の怖さです。
仕事ができない人は、依頼を“作業”として受け取る
仕事ができない人ほど、依頼をそのまま作業として受け取ってしまいます。
たとえば、上司から、
「この商品の売上をまとめておいて」
と言われたとします。
このとき、仕事を作業として受け取る人は、すぐにこう考えます。
「売上データを集めよう」
「表にまとめよう」
「グラフを作ろう」
「見やすく整えよう」
もちろん、これは間違いではありません。
でも、ここで止まると危険です。
なぜなら、上司が本当に欲しいのは、
きれいな売上一覧表ではないかもしれないからです。
上司が知りたいのは、
- 売れているのか
- 売れていないのか
- 在庫は多すぎないか
- 追加発注すべきか
- 売場を変えるべきか
- 次回も仕入れるべきか
かもしれません。
つまり、上司は「作業」を頼んでいるように見えて、実は判断材料を求めていることが多いのです。
ここを考えずに「とりあえずやります」と言うと、作業は進みます。
でも、成果には近づかないことがあります。
くろさら的に言うと、
全力で走っているけど、そもそもゴールの場所を確認していない状態です。
走る前に地図を見よう。
ほんとに。。。これ、けっこうベテラン社員でも多いので本当に意識が大切だと思います。
「とりあえずやります」が危険な理由
では、なぜ「とりあえずやります」は危険なのでしょうか。
理由は大きく3つあります。
理由① 目的が分からないまま進めてしまう
一番大きいのは、目的が曖昧なまま仕事を始めてしまうことです。
仕事には必ず目的があります。
資料を作るなら、誰かが判断するため。
数字をまとめるなら、状況を把握するため。
連絡をするなら、相手に動いてもらうため。
確認をするなら、ズレを防ぐため。
でも、「とりあえずやります」と言ってすぐ動くと、この目的確認が抜けます。
すると、作業の途中で迷います。
「どこまで詳しくやればいいんだろう」
「この情報も入れた方がいいかな」
「デザインも整えた方がいいかな」
「細かいデータも全部載せた方が安心かな」
こうして、どんどん作業が増えます。
でも、その作業が本当に目的に必要かは分からない。
結果として、時間をかけたのに評価されにくい仕事になってしまいます。
これはかなりもったいないです。
仕事は、頑張った量だけで評価されるわけではありません。
目的に合っているかどうかで評価されます。
だれの?なんのための?仕事化を明確にし、完成度の共有について事前に準備しておくことが必要です!
理由② 完成イメージがズレやすい
「とりあえずやります」と言ってしまうと、完成イメージの確認も抜けやすくなります。
たとえば、上司は簡単なメモ程度でよかった。
でも自分は、きれいなPowerPoint資料を作ってしまった。
逆に、上司は会議で使う資料が欲しかった。
でも自分は、Excelの一覧表だけを出してしまった。
このように、完成イメージがズレると、手戻りが発生します。
しかもつらいのは、本人はちゃんと頑張っていることです。
サボっていない。
手を抜いていない。
むしろ丁寧にやっている。
それなのに、
「いや、そうじゃなくて」
「ここまで作る前に確認してほしかった」
「今回はそこまでいらなかった」
と言われる。
これはかなりメンタルにきます。
でも、原因は能力不足ではありません。
最初に完成イメージを確認していないことです。
仕事ができる人は、完成品を作る前に、完成イメージを合わせます。
「今回は一覧表でよいですか?」
「会議用に1枚でまとめる形ですか?」
「まずは方向性確認レベルでよいですか?」
こういう確認を最初にしています。
理由③ 上司の期待とズレたまま進んでしまう
「とりあえずやります」が一番怖いのは、上司の期待とズレたまま進んでしまうことです。
仕事は、最初のズレが小さくても、進めるほど大きくなります。
最初に1度ズレたまま進む。
そのまま資料を作る。
数字を集める。
デザインを整える。
細部を詰める。
そして完成間近で見せる。
そこで初めて、
「方向性が違う」
と言われる。
これは地獄です。
小さなズレなら、最初に直せます。
でも、大きく作り込んだ後だと、修正が大変になります。
くろさら的には、
小さなヒビを放置したら、最後に壁ごと崩れる
みたいな感じです。
しかも、その壁を作ったのは自分です。
つらい。
だからこそ、仕事を受けた瞬間に確認することが大事です。
仕事ができる人は「すぐ作業」ではなく「先に解釈」する
仕事ができる人は、依頼された瞬間にすぐ手を動かすわけではありません。
もちろん、スピードは大事です。
でも、仕事ができる人は、作業の前に一瞬だけ考えます。
この仕事は、何のためにやるのか?
誰が使うのか?
何を判断するためのものか?
どこまでやれば合格なのか?
何をやらなくていいのか?
つまり、仕事をそのまま受け取らず、先に解釈しています。
ここが大きな違いです。
仕事ができない人は、
「頼まれたこと=やること」
として受け取ります。
仕事ができる人は、
「頼まれたことの奥にある目的」
を見ようとします。
たとえば、
「この資料まとめておいて」
と言われたとき。
できない人は、
「資料をきれいにまとめよう」
と考えます。
できる人は、
「誰が、何を判断するための資料だろう?」
と考えます。
この差が、成果の差になります。
「とりあえずやります」は、素直だけど危ない返事
「とりあえずやります」は、決して悪い言葉ではありません。
素直さもある。
前向きさもある。
仕事を受ける姿勢もある。
でも、何も確認しないまま使うと危険です。
なぜなら、
やることは決まっても、向かう方向が決まっていないからです。
仕事で大事なのは、ただ動くことではありません。
正しい方向に動くことです。
どれだけ速く走っても、方向が違えばゴールには着きません。
むしろ、速く走るほど遠ざかることもあります。
これ、仕事でも本当にあります。
「頑張ってるのに評価されない」
「時間をかけたのにやり直しになる」
「真面目にやっているのにズレる」
「上司から“そこじゃない”と言われる」
こういう人は、努力が足りないのではなく、最初の受け取り方がズレているのかもしれません。
では、何と言えばいいのか?
ここで気になるのが、
「じゃあ、頼まれたときに何と言えばいいの?」
ということだと思います。
いきなり細かく質問しすぎるのも怖い。
上司が忙しそうだと聞きづらい。
確認しすぎると面倒な人だと思われそう。
この気持ちはかなり分かります。
大事なのは、質問攻めにすることではありません。
一言だけ、目的や完成イメージを確認することです。
たとえば、
「承知しました。確認ですが、これは〇〇を判断するための資料という認識で合っていますか?」
「まずは方向性確認レベルで、本日中にたたき台を出す形でよろしいですか?」
「今回は細かい分析より、要点を簡潔にまとめる形でよいでしょうか?」
「提出形式はExcelの一覧でよいですか? それともPowerPointでまとめた方がよいですか?」
こういう確認があるだけで、ズレはかなり減ります。
ポイントは、ただ聞くのではなく、
自分なりの理解を添えて確認することです。
これなら、丸投げには見えません。
むしろ、仕事ができる人の確認に見えます。
「とりあえずやります」より強い返事
仕事を頼まれたとき、完全に黙って考え込む必要はありません。
返事は大事です。
ただし、返事を少し変えるだけで、仕事の進め方は変わります。
たとえば、
「承知しました。目的だけ確認させてください」
「承知しました。完成イメージだけ確認してから進めます」
「承知しました。まず方向性を確認したうえで進めます」
「承知しました。たたき台を作って一度確認します」
このように言えると、かなり強いです。
「やります」という姿勢は見せつつ、ズレも防げます。
新人・若手にとって大事なのは、いきなり完璧に判断することではありません。
ズレないように進めることです。(新人のうちはこれできるだけで、かなり評価されます!)
仕事ができる人は、最初からすべてを分かっているわけではありません。
分からないところを、早めに確認しているだけです。
上司から見た「安心できる人」とは?
上司から見て安心できる人は、何でも黙って引き受ける人ではありません。
もちろん、素直に仕事を受ける姿勢は大事です。
でも、それだけでは不十分です。
上司が安心するのは、
ズレそうなところを早めに確認してくれる人です。
「この人は勝手に大きくズレないな」
「目的を理解しようとしてくれるな」
「途中で方向性を確認してくれるな」
「完成してから全部違う、ということが少なそうだな」
こう思ってもらえると、仕事は任されやすくなります。
逆に、毎回「とりあえずやります」で突っ走る人は、上司からすると少し不安です。
「本当に意図が伝わっているかな?」
「何を作ってくるかな?」
「途中で確認してくれるかな?」
「完成後にズレていたら面倒だな」
こう思われてしまうことがあります。
仕事では、素直さだけでなく、安心感も大事です。
仕事ができない人ほど、頑張る前に確認していない
ここは少し厳しい話ですが、仕事では「頑張ったかどうか」だけでは評価されません。
頑張ったことは大事です。
でも、仕事の方向がズレていたら、成果にはつながりにくいです。
たとえば、会議で必要なのは「結論1枚」だったのに、細かいデータを10枚作ってしまう。
上司が欲しいのは「判断材料」だったのに、きれいな表だけを出してしまう。
早く共有すべきだったのに、完成まで抱えてしまう。
こうなると、本人は頑張っているのに評価されにくくなります。
なぜなら、相手が必要としているものと違うからです。
仕事ができる人は、頑張る前に確認します。
どこを頑張るべきか。
どこまでやれば合格か。
何を省いてよいか。
何を一番大事にするか。
ここを確認してから動きます。
だから、同じ努力でも成果につながりやすいのです。
ゴールの共有って本当に大切です!
「とりあえずやります」から卒業する第一歩
では、今日から何を変えればいいのでしょうか。
難しいことをいきなり全部やる必要はありません。
まずは、仕事を頼まれたときに、心の中で一つだけ問いかけてみてください。
「この仕事は、だれの?何のために?やるんだろう」
これだけで十分です。
そして、少しでも曖昧なら、確認する。
「承知しました。目的だけ確認させてください」
「これは〇〇を判断するためのもの、という認識で合っていますか?」
「まずは方向性を確認してから進めます」
この一言があるだけで、仕事のズレはかなり減ります。
「とりあえずやります」を完全に使ってはいけないわけではありません。
でも、その前後に確認を入れる。
これが大事です。
まとめ
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
まとめについて、図解でまとめておきますね。

仕事ができない人ほど、
「とりあえずやります」
と言ってしまうことがあります。
でも、それは能力が低いからではありません。
真面目で、素直で、上司に迷惑をかけたくないからこそ、すぐに動こうとしてしまうのです。
ただし、目的や完成イメージを確認しないまま進めると、仕事はズレます。
ズレたまま頑張ると、手戻りになります。
手戻りが増えると、評価されにくくなります。
そして、自分もしんどくなります。
仕事ができる人は、すぐ作業に入りません。
まず、仕事の意味を考えます。
この仕事は、何のためにやるのか?
誰が使うのか?
どこまでやれば合格なのか?
ここを確認してから動きます。
「とりあえずやります」は、素直な返事です。
でも、成果につなげるなら、もう一言足してみてください。
「承知しました。目的だけ確認させてください」
この一言だけで、仕事の進め方は変わります。
そして、手戻りも少し減ります。
たぶん。
いや、上司の依頼が雑すぎる場合は、まだ戦いは続きます。
でも大丈夫です。
仕事は、受け方を変えるだけでかなり変わります。
「とりあえずやります」から、
「目的を確認してから進めます」へ。
ここが、仕事ができる人への第一歩です。

以上です。今日も残業お疲れ様でした☆




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