【しまむら】マーケティングトレースによりしまむらの成功戦略を徹底解析

企業分析

今日も残業お疲れ様です。

ブラック企業勤続15年、エリート社畜の「くろサラ」です。

今日は「しまむらの成功戦略」について記事をまとめていきます。

カンブリア宮殿900回記念で「しまむら」が特集されていましたね📺️

番組の中での村上龍さんメッセージが印象的でした

「しまむらは庶民の味方であり、経済を支えるのは庶民だ」

しまむらの企業分析を、マーケティングフレームワークを活用しながら行い、その成功要因や今後の成長戦略について分析していきます。

この記事では、マーケティングにおける主要な分析フレームワークを用い、しまむらの現状を理解し、将来の展望を考察します。

⏩️前回の記事でしまむらの統合報告書をまとめていますので、まだ読まれていない人は参考にどうぞ

しまむら とは?

まずは、しまむらの企業理念やビジョンから確認していきましょう。

しまむらは「ファッションを通じて、豊かな生活を提供する」ことを理念とし、顧客の生活に密着した商品を手頃な価格で提供することを目指しています。

ビジョンは「日々の暮らしにワクワクを」です。

確かにしまむらのお店は何か面白いものがあってワクワクしますしね!

また、全国展開により、地域に根ざしたビジネスを展開しています。

しまむらのPEST分析

PEST分析は、企業の外部環境を

「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」

の4つの観点から分析する手法です。

市場に影響の大きい4つの要素の頭文字を取って「PEST」です。フレームワークとして使う場面が多いので覚えておきましょう💡

PEST分析により、しまむらが置かれているビジネスの外部環境を広い視野で理解できます。

① 政治(Politics)

しまむらは、国内展開が中心ですが、政治的な要因として、消費税や輸入関税の変動が業績に影響を与える可能性があります。

労働法の改正や最低賃金の引き上げが、店舗運営コストに影響することも考えられます。

② 経済(Economy)

しまむらのターゲット顧客層は、主に価格に敏感な消費者です。

経済環境の変動、特に景気の後退や消費者の購買力の低下は、売上に直接的な影響を与えます。

インフレによるコスト上昇も利益に影響を及ぼす可能性があります。

③ 社会(Society)

少子高齢化が進む中で、しまむらは中高年層向けの商品展開が重要になります。

エシカル消費やサステナビリティへの関心が高まる中で、環境配慮型商品の導入が求められます。

さらに、コロナ禍の影響で、消費者の買い物行動がオンラインにシフトしていることも無視できません。

アパレル各社ではEC化率の上昇がみられます。

④ 技術(Technology)

デジタル化が進む中で、しまむらにとってオンライン販売の強化が必須です。

さらに、POSシステムや在庫管理システムの高度化により、効率的な運営を行うことが求められます。

デジタルマーケティングの活用による顧客との接点強化も重要で、しまむらは全国の店舗網を活かしたOMO戦略を推し進めることが効果的と言えます。

PEST分析についても過去記事があるのでコチラもリンクを貼っておきます⏩️

しまむらのSWOT分析

SWOT分析は、企業の

「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」

を把握し、戦略を立案するためのフレームワークです。

4つの視点から企業の現状を把握します。

PEST分析同様に外部環境分析のフレームワークとして使う場面が多いです。

SWOT分析は、個人の主観が強く出る傾向が強いので、複数人で作成したほうが精度が上がります💡

① 強み(Strengths)

しまむらの強みは、全国に広がる店舗網と、価格に対する高い競争力です。

地域密着型の店舗運営により、各地域の消費者ニーズに応じた商品を提供できる点も強みと言えます。

② 弱み(Weaknesses)

一方で、しまむらはオンライン販売の分野で後れを取っており、デジタル化への対応が遅れています。

また、商品デザインが一部の消費者にとって魅力的でないと感じられることもあり、ブランドの魅力向上が課題です。

③ 機会(Opportunities)

機会としては、デジタル化やオンライン市場の拡大が挙げられます。

さらに、エシカル消費への対応や、低価格ながら品質を重視した商品開発により、新たな顧客層を取り込むチャンスがあります。

④ 脅威(Threats)

脅威としては、ファストファッションブランドやECサイトとの競争激化が挙げられます。

また、経済状況の悪化や、顧客の購買行動の変化も大きなリスクとなります。

SWOT分析について、参考例に過去記事を貼っておきます⏩️

しまむらの競合の定義(5 Force分析)

ポーターのファイブフォース分析(5つの力分析)は、業界の競争状況を

「新規参入者の脅威」「買い手の交渉力」「供給者の交渉力」「代替品の脅威」「業界内の競争」

という5つの要素から分析する手法です。

① 新規参入者の脅威

アパレル市場における参入障壁は比較的低いため、新規参入者が出現しやすい市場です。

特にオンライン専業のブランドが登場することで、しまむらは新たな競争に直面する可能性があります。

② 買い手の交渉力

しまむらの顧客層は価格に敏感であり、他ブランドとの比較検討を行うことが多いため、買い手の交渉力は高いです。

価格競争に巻き込まれないためには、価格以上の価値を提供する必要があります。

③ 供給者の交渉力

しまむらは大量の商品を調達するため、サプライヤーに対する交渉力を持っています。

しかし、原材料費の上昇や物流コストの増加は、供給者の交渉力を高める要因となり得ます。

④ 代替品の脅威

しまむらの商品は他ブランドで代替可能なため、代替品の脅威は高いです。

特に、他の低価格ブランドやオンラインショップが競争相手となり得ます。

⑤ 業界内の競争

国内のアパレル市場は、ユニクロやGUといった競合他社が強力であり、激しい競争が繰り広げられています。

しまむらは独自のポジションを確立し、競争に打ち勝つ必要があります。

5つの力分析も過去記事を貼っておきます⏩️

しまむらのターゲティング・重点顧客分析

ターゲティング分析では、しまむらがどのような顧客をターゲットにしているのかを明確にすることで、効果的なマーケティング戦略を構築します。

① ターゲットカテゴリー

しまむらは、価格に敏感なファミリー層や主婦層を主要ターゲットとしています。

また、地域に密着した店舗展開により、地元の消費者にも強く訴求しています。

② 年齢/性別

主要ターゲットは、20代から50代の女性が中心です。

特に、家庭の支出を管理する主婦層がコアターゲットとなっていますが、最近ではシニア層や男性向けの商品展開も拡大しています。

③ 行動特性

しまむらの顧客は、日常的に価格を重視して買い物をする傾向があり、特売やセール情報に敏感です。

しまむらの店舗は小商圏でドミナント化が進んでおり、顧客は近隣の店舗での買い物を好む傾向が強いです。

④ 嗜好性

シンプルで実用的なデザインの商品を好み、家族全員のニーズに対応できる商品を求めています。

また、品質も重視しつつ、手頃な価格で購入できることを重要視しています。

顧客視点の重要性とその難しさについてまとめた記事です⏩️

しまむらのSTP分析

STP分析は、マーケティング戦略を

「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」

の3つのステップで構築する手法です。

① セグメンテーション(Segmentation)

しまむらは、価格に敏感なファミリー層を中心に、都市部と地方の両方で店舗展開を行っています。

また、年齢や性別、ライフスタイルに応じた商品ラインを展開し、多様な顧客層に対応しています。

② ターゲティング(Targeting)

主要ターゲットは、価格に敏感で、日常的に実用的な商品を求めるファミリー層や主婦層です。

特に、家庭の支出を管理する主婦層に向けて、幅広い商品ラインナップを提供し、家族全員のニーズをカバーすることに注力しています。

シニア層や男性向け商品への拡大も進めており、多様なライフステージに応じた商品展開を強化しています。

③ ポジショニング(Positioning)

しまむらは、「手頃な価格で家族全員のニーズに応える」というポジショニングを採用しています。

このポジショニングは、特に家計を預かる主婦層に強く支持されており、全国に広がる店舗網と地域密着型のサービスを通じて、消費者の信頼を築いています。

これにより、しまむらは日常生活に欠かせない「ファミリーストア」としての地位を確立しています。

ポジショニングについて過去記事を貼っておきます⏩️

しまむらの4P分析(マーケティング・ミックス)

4P分析は、マーケティング戦略を

「製品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「プロモーション(Promotion)」

の4つの観点から分析する手法です。

これにより、しまむらの市場での競争力がどのように維持されているのかを理解します。

① 製品(Product)

しまむらの製品ラインは、ファミリー層をターゲットにした衣料品、雑貨、インテリアなどの幅広い商品を揃えています。

シンプルで実用的なデザインやコラボキャラクターなど様々な商品の取り扱いがあるのが特徴であり、価格を抑えながらも比較的品質にこだわった商品を提供しています。

季節やトレンドに応じた商品展開を行い、消費者のニーズに柔軟に対応しています。

② 価格(Price)

しまむらは、競争力のある価格設定を行うことで、幅広い層の消費者にアピールしています。

特に、低価格でありながら品質を維持する戦略により、価格に敏感な消費者層の支持を得ています。

これにより、競合他社との価格競争においても優位性を保っています。

③ 流通(Place)

しまむらは、日本全国に広がる店舗網を展開しており、特に地方や郊外のショッピングセンターに多く出店しています。

これにより、地元の消費者にとってアクセスしやすい店舗を提供しています。

また、オンライン販売にも力を入れ始めており、デジタルとリアルの両面での顧客接点を強化しています。

④ プロモーション(Promotion)

しまむらのプロモーションは、特売やセール情報の告知を中心に、消費者に価格面でのメリットを訴求しています。

チラシやテレビCM、SNSなどを活用し、幅広い消費者層にアプローチしています。

また、店舗内でのプロモーション活動も充実しており、来店客に対する特典やイベントを通じてリピーターを増やす施策を展開しています。

4P分析(マーケティング・ミックス)についてまとめた過去記事を貼っておきます⏩️

しまむらのバリューチェーン分析

バリューチェーン分析は、企業がどのようにして付加価値を生み出しているかを分析する手法です。

しまむらの競争力の源泉を明らかにするために、

主要活動(インバウンドロジスティクス、オペレーション、アウトバウンドロジスティクス、マーケティングと販売、サービス)と

支援活動(企業インフラ、人事管理、技術開発、調達)を見ていきましょう。

① インバウンドロジスティクス

しまむらは、コスト効率を高めるために、原材料の調達から製品の配送までのサプライチェーンを最適化しています。

大量調達によるコスト削減と、物流システムの効率化により、競争力のある価格設定が可能となっています。

② オペレーション

しまむらのオペレーションは、効率的な店舗運営と、消費者ニーズに応じた迅速な商品展開を重視しています。

特に、各店舗が地域のニーズに即した商品を提供できるようにするためのオペレーション体制が整備されています。

③ アウトバウンドロジスティクス

しまむらは、全国規模の物流ネットワークを活用し、迅速かつ低コストで商品を店舗に供給しています。

これにより、在庫管理の効率化と配送コストの削減が実現されています。

④ マーケティングと販売

しまむらは、地域密着型のマーケティングを展開しており、消費者のニーズに応じた商品提案を行っています。

カンブリア宮殿でも名言されていたが、インフルエンサー50人以上とコラボして顧客に商品を届ける販売力があります。

プロモーション活動を通じて、消費者に対して継続的にブランド価値を訴求しています。

⑤ サービス

しまむらは、消費者満足度を高めるために、店舗でのサービス向上に努めています。

顧客対応やアフターサービスに力を入れ、リピーターを増やすための施策を実施しています。

バリューチェーン分析をまとめた記事があるので参考に載せておきます⏩️

しまむらの成功要因

ここまでの分析を踏まえ、しまむらの成功要因を2点に絞って説明します。

① 独自資源:全国に広がる店舗網と物流網

しまむらの最大の強みは、全国に展開する広範な店舗網・物流と地域に根ざしたサービスです。

ドミナント化された店舗は効率的な物流システムにより、合理的に配送されることで、規模の経済を活かした低価格高品質な商品が提供可能となっています。

これにより、地元の消費者にとって身近な存在として、継続的な支持を得ています。

また、地域のニーズに応じた商品展開が可能であり、これが競争力の源泉となっています。

② 具体的施策:競争力のある価格設定と良品質な製品提供

しまむらは、競争力のある価格設定を行うことで、多くの消費者に支持されています。

また、低価格ながら品質にこだわった製品を提供することで、消費者の期待に応えています。

この価格と品質のバランスが、しまむらのブランド力を支える重要な要素となっています。

しまむらの成長戦略

しまむらが今後も持続的な成長を遂げるためには、短期戦略と長期戦略の両方を効果的に実施することが重要です。

カンブリア宮殿で印象に残った「信用と信頼」「庶民の味方」「商品力」「最後尾のEC」というキーワードを基にくろサラの少し偏った視点で考えてみました🔍️

短期戦略:デジタル化とオンライン販売の強化

① 何をするか?
オンライン販売の強化とデジタルマーケティングの活用を推進します。

② どうやってやるか?
オンラインストアの機能拡充や、SNSを活用したプロモーションを展開し、デジタルとリアルの購買体験をシームレスに統合します。

また、顧客データを活用し、パーソナライズドマーケティングを展開します。

③ どれくらいの規模で?
短期的には、全売上の10〜15%をオンライン販売から得ることを目指します。

オンラインマーケティングの予算を増額し、広告効果の測定を行いながら、効率的な投資を行います。

④ なぜやるのか?
消費者の購買行動がデジタルにシフトしている中で、オンライン販売を強化することは、売上増加とブランド価値向上のために不可欠です。

また、デジタル化による効率化が、店舗運営の改善にもつながります。

長期戦略:新市場の開拓とブランドイメージの向上

① 何をするか?
新市場への進出と、しまむらのブランドイメージ向上に向けた取り組みを強化します。

② どうやってやるか?
国内外の未開拓市場への進出を目指し、特にアジア市場での展開を強化します。

また、環境配慮型の製品ラインやエシカル消費に対応した商品開発を推進し、ブランド価値を高めます。

③ どれくらいの規模で?
長期的には、国内外の新市場からの売上を全体の20〜30%に引き上げることを目指します。

特にアジア市場では、新規店舗の展開と既存店舗の拡充により、売上高を大幅に増加させる計画です。

また、エシカル消費に対応した新製品ラインの売上を、全体の10〜15%にまで拡大させることを目標とします。

④ なぜやるのか?
国内市場が成熟する中で、新たな成長機会を追求するためには、新市場への進出が不可欠です。

特にアジア市場は、今後の成長が期待される地域であり、早期に市場シェアを獲得することで、長期的な成長基盤を築くことができます。

また、エシカル消費やサステナビリティへの関心が高まる中で、これらの分野での取り組みを強化することで、しまむらのブランド価値をさらに向上させ、競争力を高めることができます。

まとめ

しまむらは、全国に広がる店舗網と物流網、地域密着型のサービスを強みとし、競争力のある価格設定と高品質な製品を提供することで、多くの消費者に支持されています。

今後の成長を目指すためには、短期的にはデジタル化とオンライン販売の強化が重要であり、長期的には新市場への進出とブランドイメージの向上が鍵となります。

これらの戦略を実行することで、しまむらは新たな市場での成長を確実にしつつ、既存市場での競争力を維持し続けることができるでしょう。

皆さんもこの分析を通じて、しまむらがどのようにして成功を収め、今後どのように成長していくのかをしっかりと理解し、ビジネスの戦略構築に活かしていただければと思います。

マーケティングフレームワークを用いた企業分析は、ビジネスの成功要因を深く理解するための強力なツールですね💡

以上、お疲れ様でした。質問があれば、是非、コメント欄にて、お願いします。

今日も明日も明後日も、理不尽なこの社会と会社に負けないで、頑張っていきましょうね!

コメント

タイトルとURLをコピーしました