今日も残業お疲れ様です。
ブラック企業勤続15年、エリート社畜の「くろサラ」です。
今日は「ユニクロの成功戦略」について記事をまとめていきます。
ユニクロの経営理念は「服を変え、常識を変え世界を変えていく」です。
今までにない商流(SPA・物流)今までにない商品(高機能)今までにない新しい価値を創造し続けている企業ですね💡
ユニクロは世界的に有名なブランドですが、その成功の裏にはどのような戦略や工夫があるのでしょうか?
また、これからどのような成長を目指しているのでしょうか?
これらを理解するために、マーケティングトレースというフレームワークを使って分析を行います。
マーケティングトレースについては、過去ニトリを分析した記事があるのでコチラを参考にしてください⏩️
ユニクロのPEST分析
まずは市場を取り巻く環境分析を行っていきます。
P(Politics)政治、E(Economy)経済、S(Society)社会、T(Technology)技術
市場に影響の大きい4つの要素の頭文字を取って「PEST」です。フレームワークとして使う場面が多いので覚えておきましょう💡
①政治(Politics)
- 国際貿易政策:ユニクロは多国籍企業として、各国の貿易政策や関税に影響を受けます。アメリカや中国との貿易摩擦は、多くの国の商品の価格設定や供給チェーンに影響を及ぼしています。
- 労働法:ユニクロが進出する国々の労働法規制に適応し、適切な労働条件を提供する必要があります。国によっては裏金が横行している国も多いように思いますが、どうやって解決しているのでしょうか?現地法人ですかね??
②経済(Economy)
- グローバル経済の成長:ユニクロはグローバルに展開しているため、各国の経済成長が購買力に影響します。日本に留まっていては縮小する市場でも、新興国市場へ目を向ければ経済成長の期待できる国が多く、新たな顧客層の拡大を意味していますね。
- 為替レート:円高や円安が、ユニクロの輸出入コストに影響を与え、結果として価格戦略にも反映されます。
- 余談ですが・・・日本国内のユニクロにとっては、円高になると円の価値が高くなることで、少ない円で多くの商品を輸入できますが、円安傾向になると円の価値が安くなるので、多くの円を使って商品を輸入しなければなりません。
③社会(Society)
- 消費者意識の変化:環境意識の高まりや、エシカルファッションの需要が高まる中、ユニクロは持続可能性に対応した製品を開発しています。店内には服の回収ボックスも設置されていますね!
- ライフスタイルの変化:リモートワークの普及により、カジュアルウェアやアスレジャーの需要が増加していることに対応しています。
④技術(Technology)
- 技術革新:ユニクロは、ヒートテックやブロックテックといった技術的に革新的な製品を展開し、競争優位を確立しています。
- デジタル化:オンライン販売の拡大や、デジタルマーケティングの活用が、ユニクロの成長を後押ししています。EC化率も年々拡大していますね!
PEST分析についても過去記事があるのでコチラもリンクを貼っておきます⏩️
ユニクロのSWOT分析
SWOT分析は、企業の内部環境と外部環境を分析するためのフレームワークです。
S 強み(Strengths)、W 弱み(Weaknesses)、O 機会(Opportunities)、T 脅威(Threats)
4つの視点から企業の現状を把握します。
PEST分析同様に外部環境分析のフレームワークとして使う場面が多いです。
SWOT分析は、個人の主観が強く出る傾向が強いので、複数人で作成したほうが精度が上がります💡
- 強み(Strengths)
- グローバルなブランド認知度:ユニクロは、世界中で広く知られており、ブランド力が強みです。
- 高品質かつ手頃な価格:ユニクロの製品は、品質と価格のバランスが優れており、多くの消費者に支持されています。
- 技術革新:ヒートテックやエアリズムといった独自の技術が差別化要因となっています。
- 弱み(Weaknesses)
- 多様性の欠如:一部の市場では、ファッションの選択肢が限られていると批判されています。
- ローカライズの課題:グローバル展開の中で、各国市場におけるローカライズ戦略が十分でない場合があります。
- 機会(Opportunities)
- 新興国市場への展開:アジアやアフリカなど、成長市場における拡大が期待されます。
- サステナビリティの強化:環境に配慮した製品開発やサプライチェーンの改善により、エシカル消費者層の支持を得る機会があります。
- 脅威(Threats)
- 競争の激化:ファストファッション業界は競争が激しく、他のブランドからの圧力が増加しています。
- 経済不安定性:為替リスクや経済成長の鈍化は、ユニクロの収益に影響を与える可能性があります。
SWOT分析について、参考例に過去記事を貼っておきます⏩️
ユニクロのSTP分析
STP分析は、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)
3つのステップを通じて、ターゲット市場の選定と、その市場におけるブランドのポジショニングを決定するためのフレームワークです。
- セグメンテーション(Segmentation)
- 地理的セグメント:ユニクロは世界中で展開しており、地域ごとに異なるマーケティング戦略を採用しています。
- デモグラフィックセグメント:年齢、性別、収入層ごとに異なる製品ラインを展開しています。
- サイコグラフィックセグメント:ライフスタイルや価値観に基づいたセグメントに対して、特定の商品やメッセージングを提供しています。
- ターゲティング(Targeting)
- グローバルな中間層を主要なターゲットとし、幅広い層に受け入れられる製品を提供しています。企業理念でも「世界中のあらゆる人々」をターゲットと明記していますしね📝
- ポジショニング(Positioning)
- ユニクロは「高品質で手頃な価格」で他社を圧倒しています。ベーシックなファッション性と機能性を兼ね備えたブランドとしてポジショニングしています。
ポジショニングについて過去記事を貼っておきます⏩️
ユニクロの4P分析(マーケティング・ミックス)
4P分析は、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)
4つの視点からマーケティング戦略を分析するフレームワークです。
各要素の一貫性と具体性が重要になるフレームワークのため、マーケティングミックスと呼ばれることもあります。
- 製品(Product)
- ベーシックでありながら高機能な製品ラインを展開。ユニクロのヒートテックやエアリズムはその代表例
- キャラクターやデザイナーとの限定コラボレーションなど、話題性やファッション性を高める取り組みも実施しています。
- 価格(Price)
- 手頃な価格帯を維持しながら、品質に妥協しないという戦略。プレミアムラインも展開し、幅広い価格帯に対応しています。
- 最近は円高傾向だったことも影響して、日本国内のユニクロの販売価格は上昇していると感じていますし、合わせてIR情報をみても客単価は上昇していることから値上傾向であることがわかります。
- 流通(Place)
- 直営店とオンラインストアの併用により、幅広い消費者にリーチしています。店舗は都市部に集中しつつ、オンラインでのグローバル展開を強化しています。
- プロモーション(Promotion)
- 広告やプロモーション活動において、シンプルで機能的なブランドイメージを強調しています。SNSやデジタル広告も積極的に活用しています。
4P分析(マーケティング・ミックス)についてまとめた過去記事を貼っておきます⏩️
ユニクロのバリューチェーン分析
バリューチェーン分析は、企業が付加価値を生み出すための主要活動と支援活動を分析するフレームワークです。
- 主要活動
- インバウンドロジスティクス:原材料の調達と効率的な在庫管理。ユニクロは、サプライチェーンの管理を通じてコストを抑えています。
- オペレーション:製品の設計、製造、品質管理において、効率的かつ高品質なプロセスを維持しています。
- アウトバウンドロジスティクス:製品の配送と在庫管理。店舗とオンラインの両方でスムーズな物流を実現しています。
- マーケティングと販売:消費者に対する効果的なコミュニケーションと、販売チャネルの管理。
- サービス:アフターサービスや顧客サポートを通じて、ブランドロイヤルティを向上させています。
- 支援活動
- 企業インフラ:強力なブランド管理とグローバル展開を支える管理体制。
- 人事管理:グローバルな人材を活用し、各国市場に適応した戦略を展開しています。
- 技術開発:製品開発における技術革新と、製造プロセスの改善。
- 調達:コスト効率を重視した調達戦略で、製品の競争力を維持しています。
ちょうどユニクロのバリューチェーン分析をまとめた記事があるので参考に載せておきます⏩️
ユニクロのファイブフォース分析(5つの力分析)
ポーターのファイブフォース分析は、業界内での競争状況を分析するためのフレームワークです。
業界の競争要因を5つの力(新規参入者の脅威、買い手の交渉力、供給者の交渉力、代替品の脅威、業界内の競争)から評価します。
- 新規参入者の脅威:ファッション業界は参入障壁が比較的低いため、新規参入者が市場シェアを奪うリスクがあります。最近ではインスタグラマーを中心にC2Cブランドや中国アパレルのSHEINが原宿にコンセプトショップを出店したりしてアパレル新規プレーヤーが勢力を拡大していますね💡
- 買い手の交渉力:消費者は多くの選択肢を持っているため、価格や品質に敏感です。
- 供給者の交渉力:ユニクロは多くの供給者と直接取引しているため、供給者の交渉力は比較的低いです。
- 代替品の脅威:ファストファッション以外のブランドや、エシカルファッションの台頭が代替品としての脅威となる可能性はあります。
- 業界内の競争:H&MやZARA、良品計画、アダストリア、しまむらなど、同業他社との激しい競争が存在します。
5つの力分析も過去記事を貼っておきます⏩️
ユニクロの成功要因
外部環境分析、内部環境分析を踏まえたうえでユニクロの成功要因について分析していきます。
まとめると非常にシンプルで当たり前と感じることも多いのですが、これを当たり前に出来ることが凄いことなんですね。
成功企業の戦略は非常にシンプルでわかりやすいのに、シンプルだからこそ競合が真似できない独自資源の蓄積が強みとなって、競争優位性を形成しています💡
1.高品質で手頃な価格の提供
独自の経営資源
- (SPA)サプライチェーンの統合管理:ユニクロは、製造から販売までのサプライチェーンを垂直統合することで、コストを抑えつつ高品質な製品を提供する能力を持っています。これにより、消費者に対して他社と比較しても圧倒的なコストパフォーマンスを実現しています。
具体的施策
- グローバル調達戦略: 世界各地の最適な供給源を選び、品質を確保しながらコストを削減しています。例えば、ユニクロは東南アジアや中国における生産拠点を効果的に活用し、安定した品質の製品を大量に生産しています。
- ユニクロ独自の製品ライン: ヒートテックやエアリズムなど、機能性と品質を兼ね備えた製品開発を継続的に行い、消費者にとって価値のある製品を提供しています。
2.グローバル展開とブランドの確立
独自の経営資源
- 強力なブランド認知: ユニクロは「LifeWear」というブランドコンセプトのもと、シンプルでありながら機能的なファッションを提案し、全世界で共通する価値を提供しています。これにより、文化や地域を超えて受け入れられるブランドイメージを確立しています。
具体的施策
- 都市部への集中出店: ユニクロは、世界中の主要都市にフラッグシップストアを展開することで、ブランドの認知度と影響力を高めています。例えば、ニューヨークやロンドン、パリなどの主要都市に大型店舗を開設し、地元消費者のみならず観光客にもアピールしています。
- デジタルマーケティングの活用: ソーシャルメディアやオンライン広告を活用し、各市場においてユニクロブランドのメッセージを効果的に伝えています。また、オンライン販売を強化し、消費者がどこからでもユニクロの商品を購入できる環境を整えています。
3.技術革新と製品開発力
独自の経営資源
- 独自の技術開発力: ユニクロは、技術的に優れた製品を開発する能力を持っており、これが競争優位性を支えています。これがユニクロの匠チームですね。ここが一つの肝だと感じます。機能性素材の開発において他社に先んじており、消費者にとって不可欠なアイテムを提供しています。
具体的施策
- 技術提携: ユニクロは、素材メーカーや技術パートナーとの協力により、革新的な製品を生み出しています。例えば、トルエルボーなどの先端技術を持つ企業と提携し、独自の機能素材を開発しています。
- 持続的な製品改善: ユニクロは、消費者のフィードバックを基に製品を定期的に改善しています。例えば、毎年のようにヒートテックやウルトラライトダウンの改良を行い、常に最新で最良の製品を提供し続けています。
これらの成功要因は、ユニクロの強力な経営資源と具体的な施策が相まって実現しており、これが同社の持続的な競争優位性を支えています。
ユニクロは、これらの戦略を通じて世界中の市場で強いブランドポジションを築いており、多くの人から評価されています📝
ユニクロの現実的な成長戦略を考えてみる@くろサラ
ここからは、分析結果を元に勝手にユニクロの成長戦略について考えてみようと思います!
分析はその結果から考察して行動することが大切ですからね📝
分析しっぱなしにならないように注意しましょうね⚠️
サステナビリティの強化とエシカル消費対応
①具体的に何をするか?
ユニクロの製品ラインにおけるサステナビリティを強化し、エシカル消費を促進するための取り組みを拡大します。特に、リサイクル素材の使用率を大幅に増やし、サーキュラーエコノミーに基づいたビジネスモデルを構築します。
②どうやってやるか?
- サプライチェーンの再構築: 主要なサプライヤーと連携して、リサイクル素材の調達を強化し、製品開発においてエコフレンドリーな素材の使用を標準化します。
- 製品ラインの拡充: 持続可能な素材を使用した新しい製品ラインを開発し、「ユニクロ・グリーン」ブランドを立ち上げます。また、既存製品にもリサイクル素材を導入し、段階的に切り替えていきます。
- 消費者啓発キャンペーン: 消費者に対してサステナビリティの重要性を訴えるキャンペーンを展開し、エシカルな選択を促進します。これには、店舗でのリサイクルプログラムやデジタルプラットフォームを通じた情報提供が含まれます。
③どれくらい儲けるか?
この戦略により、エシカル消費を志向する新しい顧客層を獲得し、既存顧客の忠誠度を高めることが期待されます。
新しい「ユニクロ・グリーン」ブランドによる売上は、3年以内に総売上の10〜15%を占めると勝手に予想して、全体の利益率も持続可能な製品の高付加価値化により2〜3%向上することが見込まれます。
④なぜやるか?
環境への配慮がますます消費者の購買意識に影響を与えている中で、サステナビリティに特化した製品ラインを展開することは、企業の社会的責任を果たすと同時に、長期的なブランド価値の向上につながります。
また、規制の強化や消費者のニーズ変化に対応することで、競争優位性を維持し、ユニクロが他社より先に選考して実施することで先行者優位なポジションを取れるのではないかと考えました📝
ユニクロの不確実性の高い成長戦略を考えてみる@くろサラ
新興市場におけるローカルイノベーションセンターの設立
①具体的に何をするか?
インド、アフリカ、中南米などの新興市場に「ローカルイノベーションセンター」を設立し、地域特有の消費者ニーズに対応した製品開発とマーケティング戦略を現地で展開します。
今後の経済成長が見込める国に対して、先行投資を行う!
②どうやってやるか?
- 現地の市場調査: ローカルイノベーションセンターでは、現地の消費者行動やライフスタイルを徹底的に研究し、地域特有のニーズを反映した製品を開発します。例えば、気候に適した素材やデザイン、文化的要素を取り入れた商品展開を行います。
- 現地パートナーシップの構築: 現地企業や政府機関、NGOと連携し、製品の開発から販売までのプロセスを現地で完結させます。これにより、迅速かつ柔軟な市場対応が可能になります。
- パイロットプロジェクト: まずは数都市でパイロットプロジェクトを開始し、成功事例を基に他地域への展開を計画します。
③どれくらい儲けるか?
新興市場の消費者基盤は急速に拡大しており、この戦略により、5年間でこれらの市場からの売上が総売上の20%に達すると勝手に推測しました。
また、現地での製品開発と生産により、コストの最適化と利益率の向上が期待出来ると感じます。特にインドは綿の産地で良質な素材で高品質な商品が期待できます。
④なぜやるか?
新興市場は今後の成長が見込まれる地域であり、現地のニーズに応じた製品とマーケティング戦略を展開することで、他社に先駆けて市場シェアを獲得することができます。
また、現地でのイノベーション活動を通じて、ユニクロのグローバルブランド価値をさらに高め、世界中でのプレゼンスを強化することができます。
現実的な戦略は、既存のトレンドや企業資源に基づき、比較的確実な成果を見込める施策に焦点を当てています。
一方で、不確実性の高い戦略は、リスクを伴うものの、成功すれば大きな成長が見込まれる新興市場での革新を目指した戦略です。
これにより、ユニクロは安定した成長を維持しつつ、新たな市場での機会を積極的に探ることができます。
まとめ
この記事では、ユニクロを様々な分析フレームワークを使ってマーケティングトレースを行い、分析結果からユニクロの今後の成長戦略について予測してみました。
皆さんの視点でも是非分析した結果から今後の戦略を予測したり、市場全体の流れを把握して論理的な行動計画を作成してみてください。
以上、お疲れ様でした。質問があれば、是非、コメント欄にて、お願いします。
今日も明日も明後日も、理不尽なこの社会と会社に負けないで、頑張っていきましょうね!
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