売上は過去最高、それでも利益が減少した理由とは?
2025年3月期、ニトリホールディングスは連結売上高が9,289億円と過去最高を更新。
前年比3.7%増と、堅調な成長を見せました。
しかし一方で、営業利益は1,203億円(前年比▲73億円)、最終利益は768億円(前年比▲96億円)と減益という結果になりました。
売上が伸びているにもかかわらず、利益が落ち込んだ背景には、「コスト増」の影響が色濃くあります。
為替と人件費が利益を圧迫
減益の主な要因は以下の2つです:
- 為替影響(円安):輸入コストの上昇により、124億円のマイナス影響。
- 販管費の増加:人件費・物流費などが増え、販管費全体が1,104億円に増加。
これにより、営業利益率は前年の14.4%から12.9%へと低下しました。
PB(プライベートブランド)とデジタル戦略が収益を支える
とはいえ、ニトリは商品・サービスの進化により強い消費者支持を得ています。
- 高機能なPB商品:収納付きベッド「ジオ」や、オリジナル加湿器・テレビなど家電の自社開発が好調。
- アプリ戦略の成功:アプリ会員数は2,256万人を突破し、アプリ経由の購買単価は非会員の2.5倍。
- ECの拡大:通販売上は前年比109.4%と、オンライン分野も好調。
海外進出とサステナブル経営の両立
ニトリは国内市場だけでなく、海外市場への進出も着実に進めています。
- 海外店舗数:前年より46店舗増加し、アジア中心に259店舗を展開。
- 環境配慮型経営:羽毛布団・カーテン・タオルの回収リサイクルなど、サステナビリティにも注力。
2026年3月期の業績予想:再び2桁増益へ
ニトリは2026年3月期の見通しとして、以下を掲げています:
- 売上高:9,880億円(前年比+6.4%)
- 最終利益:900億円(前年比+17.2%)
物流・サプライチェーンの効率化と、デジタル戦略の強化でさらなる業績拡大を目指しています。
まとめ:進化し続けるニトリの強さ
ニトリは「価格以上の価値」を掲げ、PB戦略、EC強化、環境対応と多方面での進化を続けています。
一時的な減益はあったものの、次期に向けた確かな成長戦略と、高い顧客満足度が同社の安定性を支えています。
今後も内需拡大と海外展開、そして環境経営のバランスを武器に、“お、ねだん以上。”の進化は続いていくでしょう。
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